江戸時代、甘味、苦味、酸味、など五つの味を凌駕するほど美味という
「五味(ごみ)かすてら」の名で生まれた贅沢なカステラは、
後に「五三(ごさん)焼カステラ」と呼ばれるようになりました。

*五味(ごみ)と呼ばれていたものが、美的感受性から次第にゴサンと読みかえられました。渡辺庫輔氏による推論

松翁軒の五三焼カステラは、卵黄を増やし、その分卵白を減らし、
砂糖を増量、生地のしっとり感をより濃く醸し出しながらも、
職人の技術によって上品な口溶け、口あたりに仕上げられております。


松翁軒 五三焼カステラの
こだわり

[原材料]

毎朝届けられる
島原産の新鮮な卵

卵は島原半島の契約農家から毎朝直送、美しい焼き上がりのために、新鮮さや味だけでなく、温度から黄身の色まで厳しく管理されています。
良質な三十種類の自然素材を独自配合飼料で育てた鶏の卵で、味も栄養価も優れています。

九州佐賀県産米飴

色良く甘味に濁りが無い、国内産の餅米飴を使用。水飴を加えることでしっとりと焼き上がり、生地の老化を防ぎます。

伝来当時パンのようなものだったカステラは、水飴を加えるという長崎人の工夫で現在のようなしっとりとした長崎カステラになったのです。

純度の高いザラメ糖、
扱いやすい上白糖

ザラメは長崎カステラを作る上で絶対に欠かせない原料です。純度のより高いザラメを加えることで、上白糖だけでは作ることが出来ない、長崎カステラの上品な甘味が生まれます。
ザラメを敷くのではなく、「ザラメを使って焼き上げる」のが松翁軒のカステラ。生地の下に残ったザラメは、焼き上げる時に生地に溶け切れずに沈んだものなのです。

寝かせることで
熟成した小麦粉

一般で使われる普通の薄力粉では長崎カステラは焼き上がりません。松翁軒では、ふんわり、もっちりとした焼き上がりのために、保水性に優れた特殊なカステラ専用の小麦粉を使用します。

[熟練の職人の技術]

砂糖、卵、小麦粉、米飴、とシンプルな原材料のため、温度、湿度などによる微妙な変化も。それらを見分け、違いに気づき、日々、経験や数値による検証をもとに繊細な調整で製造されています。

創業以来、受け継がれ進化してきた伝統の製法により、熟練した職人がそれぞれの窯で一枚ずつ丁寧に焼き上げるカステラは、シンプルなぶん、奥深く、その日の天候や気温によって、製法も微妙に異なります。職人の経験値とわざと勘、そしてカステラづくりに向き合う誠実な心があって、はぐくまれる味なのです。

[カステラと五三焼の違い]

松翁軒の五三焼カステラは、松翁軒カステラより卵黄と砂糖を増やし卵白を減らして、生地のしっとり感、コクがより濃く醸し出しながらも、松翁軒の職人の技術で品良く上品な口どけ、口当たりに仕立てられております。

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店舗限定パッケージについて

松翁軒本店限定

オランダ商館壁紙貼交帖(長崎シーボルト記念館蔵)

江戸時代後期、ドイツ人シーボルトはオランダ医として長崎出島に来日、長崎市鳴滝の地に「鳴滝塾」を開き、全国から蘭医学を学ぼうと集まる若者たちに惜しみなくオランダ医学を教え、日本の西洋医学の祖となります。
シーボルトゆかりの資料など豊富な所蔵品を有する長崎シーボルト記念館から、際立つ美しさと手仕事の良さが伝わるオランダ商館壁紙貼交帖からの一枚を松翁軒本店限定パッケージとしました。低地の水を風車で汲み上げ、その動力で粉を挽くなどエコロジー志向のオランダのお国柄が可愛い花々に集まる蝶の表現など自然をいたわる点にも表れております。

Dutch Trading Post’s wallpaper collection book (collection of Nagasaki Siebolt Museum)In the late Edo period, the German physician Siebold came to Dejima in Nagasaki as a Dutch doctor. He opened the “Narutaki School” in Narutaki, Nagasaki City, and generously taught Dutch medicine to young people who gathered from all over the country, becoming the founder of Western medicine in Japan. This piece is from the Dutch Trading Post’s Wallpaper collection book, which conveys the outstanding beauty and craftsmanship found in the abundant collection of materials related to Siebold at the Nagasaki Siebold Memorial Museum. We are glad to use one picture from the wallpaper collection book and created a package limited to the Shōoken main store. It reflects the Dutch ecological orientation, such as using waterwheels to pump water from lowlands and grind flour with their power, as well as the preservation of nature, as seen in the representation of butterflies gathering around cute flowers.

長崎街道かもめ市場店限定

南蛮渡来綺聞(田川憲1960年 木版・紙 (株)松翁軒蔵)

田川憲(長崎市生まれ 1906〜1967)は戦前戦後を通じて長崎で活躍した木版画家です。
戦後、洋館や唐寺のあるエキゾチックな長崎風景、居留地の景観を生涯にわたって描き続け、再開発とともに次々と姿を消す風景や長崎を特徴づける異国情緒を版画の中に残そうとしました。

Nanban Torai Kibun (Ken Tagawa, 1960. Wood print, a collection of Shōoken )Ken Tagawa (born 1906-1967 in Nagasaki City) was a woodblock print artist, who was active in Nagasaki from the early Showa era. After the WWII, he painted the exotic scenery of Nagasaki, where you can see Western-style buildings and Chinese temples at the same time, as well as the views of foreign settlements, and tried to preserve in his works the views that disappeared one after another due to redevelopment, and the exotic atmosphere of Nagasaki.

博多マイング店限定

出島図(川原慶賀)

川原慶賀(長崎生まれ1786頃〜1860以降)シーボルトのお抱え絵師です。
出島は鎖国時代長崎の出島町人と呼ばれる豪商が造成した扇形の人工島。
開国までの間、オランダ人商館長(カピタン)が着任し、オランダ国旗たなびく貿易基地として、また鎖国時代における西洋文化へ開かれた日本の窓として大きな役割を果たしました。
ポルトガルから伝わった素朴な南蛮菓子が、日本人好みのしっとりと甘やかな長崎カステラへと進化していったのも、出島に届けられた貿易品である貴重な砂糖をふんだんに手に入れることができたからです。

Drawing of Dejima (Keiga Kawahara)
Kawahara Keiga (born in Nagasaki around 1786 – after 1860) was a painter employed by Siebold (German physician, botanist). Dejima was an artificial fan-shaped island in Nagasaki build in Nagasaki by wealthy merchants called “Dejima Townspeople” during the period of national isolation of Japan. During the period of national isolation, the Dutch trading post chief (Captain) was stationed there, and it played a significant role as a trading base with the Dutch flag fluttering, as well as a window for Japan to open up to Western culture. The simple Nanban(Spain and Portugal area) confectionery that was transmitted from Portugal gradually evolved into the moist and sweet Nagasaki Castella, which was favored by the Japanese people, thanks to the abundant supply of valuable sugar obtained through trade on Dejima.

大切な方への特別な贈り物に、
松翁軒の五三焼カステラを。


ご利用シーン

九州、長崎の他にないお土産としてお喜びいただいています。

手土産に

長崎カステラの中でも、最上位品と言える「五三焼カステラ」は、どのようなシーン・どのようなお相手にも安心してお渡しすることができるお品です。

ご進物に

お中元、お歳暮、お年賀など時候のご挨拶の贈り物として、慶弔の引き物としても良い記憶の残る贈り物としてお喜びのお声をいただいております。

季節の贈り物と供に

更に季節毎に販売されております「冷花の雫涼峯」「さくらカステラ」などとのその季節ならではの季節限定のお詰め合せもたいへん喜ばれております。

松翁軒本店の2階に併設する《喫茶セヴィリヤ》では、珈琲と共に五三焼カステラをお召し上がりいただけます。
お店の目の前には長崎ならではの路面電車が走り、わずか5分も歩けば長崎市の中心部を流れる中島川。
水面に映った影と橋のアーチが美しい円を描く眼鏡橋。長崎らしい情緒を感じさせる風景が広がっています。
ぜひ、《喫茶セヴィリヤ》で五三焼カステラをご賞味ください。

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